10月になり私のお取引先での内定式も終わってしまいました。
複数の内定を持っている学生さんが多いようですが、どちらのお客様も内定辞退の場合追加募集はしないご様子です。
◆不況期は内定の欠員募集はしない(内定取り消しも起こる)
不況期はいつもそうですが、複数の内定を得られる学生と全く内定のない人にはっきり分かれます。
しかし今までもまず欠員分は再募集しなかった。
現在が正にそうですが、経済が急変している状況でありますので、本当は全ての採用を取り止めたいというのが本音です。内定辞退を内心で喜ぶ会社もあります。
内定式後の採用中止もあり得るでしょう、逆に安全のためにギリギリまで内定を手放さない人も多いです。
◆会社の心理は限りなく守りに
景況はいろいろ言われていますが個人的には9月の決算発表の時点で上場企業の3割が通期の業績見通しは未定とした段階で終わりだと感じております。
もう自社の予算も昨年の予算時とはかけ離れています。
回復の見通しも今立っておりません。
足元で好調なのはECやスーパーなど巣ごもりを狙った業態ぐらいで、それも今冬から来年にかけては全体不況の影響が及ぶとの予測です。
私は産業機械がメインでして中国向け需要は3月以降も思いのほか減らずにきており回復も早かったのですが、全体への影響は僅少。
非正規社員の解雇や、不調の企業では人手不足にもかかわらず正社員の希望退職を募り始めています。
一方で財務体質を強化するための融資・資金調達は空前の規模、政府系金融機関も地銀も貸しまくりです。
お取引先は皆そうですが、会社は今「無理をしてでもコストを削減し、できるだけ現金を持ちたい」と思っています。
こういう時、人件費(固定費)は真っ先に削減したい項目です。
◆急激な不況下の職探し鉄則
ご覧頂いている皆様にはいろいろな事情やお立場があろうかと思います。
山ほど会社を受けるハメになった経験から、現在の状況では以下のことだけははっきり正しいと申し上げられます。
- 転職希望の方:可能な限り転職を避け、事態が好転するまでお待ちになるべき。
- 新卒就活の方:待遇が悪くても2021年4月から「正社員資格で会社員」になるべき。
どんな理由があろうともこれだけは外せません。
転職ご希望であれば安売りはしない、また新卒就活であれば就職浪人は絶対にお止しなさいということです。
◆転職:今は安売りの時期
10年前と異なり少し前まではある程度の経験やスキルがあると結構動くことが出来ました、年収も上げられた。
転職情報も明らかにその時の雰囲気の情報が残っています。
3月来の状況は正反対です
人手不足でも人員整理を始める会社が出ている今、なお募集中の企業は安く人を買えると思っています。
こういう時には余程の理由があっても現在の職を離れるべきではない。
そこそこ嫌な思いをしていたとしてもです。
もしどうしても転職する場合は諸々の条件を含めると給与は具体的に最大3割下がるとしてほぼ間違いないと思います。
条件が良くても見た目だけと思ったほうがよろしいです。
足元は厳しいです、しかし今回はリーマンショックの時と違い政府の初動も早く規模も大きい。ある期間待つ忍耐があれば必ず好転します。それまで待てるかどうかだと思います。
◆新卒就活・就職浪人は絶対お止めに
まず、今内定がない方はとても不安と思います。
私も1999年の10月はとてつもなく不安でした、もう面接も100社を超えていましたが何の反応も無かったためです。
こういう時は何よりも「してはならないことをしない」ことを第一に行動すべきです。
ここを外さないで行動すると必ず結果が見えます。
具体的に今最もしてはならないことは何か、それは
- 就職浪人はしない
- 内定無しを理由の大学院への進学はしない(無論学術分野への志があるかたは別)
- 非正規雇用で卒業しない(待遇が悪くても正社員の資格で社会人となる)
ということです。
もう私の知る学生さんでそういうことを言う人が何人かいますが、自分の体験をお話してお止めしました。
理由は日本社会において就学から社会人になるまでの時間的タイミングは極めて重要視されるからです。
ここで人と違うことは相当な理由があっても「外れ者」扱いを受けます、いかに自己PRに長けていても無理です。
また年金等の履歴でばれますからごまかしが効きません。
実際に進学指導に定評ある教育関係のプロに話を聞いたことがありますが「医学部を除いて5浪で大学入学は最悪だが、その次に悪い」との明快な答えでした。
こういった社会感覚が正しいとは思いません、異なる人生体験がもたらす価値観は人と違う視点をもたらすと感じます。
しかし現実として会社、というよりサラリーマンはいわゆる世間の常識と違うものを大変嫌うのです。
来年改めてのチャレンジは不可能か、限りなく可能性は低いと考えてください。
とどのつまりどんな待遇でもいい、現時点で会社に入る。もっと正確に言えば
「2021年4月から正社員」となることが目先の待遇よりもはるかに大事です
先々まで履歴の残る「先送り」と異なり、後日の転職により充分改善が可能ですから。
私自身そうでしたが、2000年卒の学生ではその後がはっきり分かれました。
はっきりどうしようもない会社と年収であっても、ともかく正社員でスタートした人はその後年収も仕事の内容も転職を通じてステップアップさせることが出来た。
一方で就職浪人か契約社員を選んだ人は、残念ながら知る限りほぼ全ての人が非正規ないし極めて低い年収のままで今に至っています。
酷い話だと思いますが、履歴書に非正規の履歴が書いてあるだけで、正社員募集なのに非正規雇用で採用しようとする会社すらありますから。
しかしもう就職サイトでも2021年3月卒の新卒募集はない、とお考えと思います。
実際に求職募集も大手人材紹介業の業績が悪化するほど数が少なくなっています。
では何処で探すのか、「ハローワーク」一択です。
そして今から可能性ある会社とは「中小企業」です。
ここが大事ですが「ワローワーク」/「中小企業」の組み合わせが大切。
民間の人材紹介業者で探す中小企業は逆に避けたほうがよい。
この点は大変大事でありますので別稿にて更に詳しくご説明申し上げます。
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